
ピーター・
グリーナウェイ独特の美意識の塊のような映画。
ゴージャスかつグロテスク。
食にエロスをからめて、微妙な人間関係を描き出す。
そもそも、食には死の影が付きまとうものだ。
(当然ながら、人間の生は他の生物の死の上に成り立っているのだから)
そしてタナトスの影の近くにはエロスがあるというわけ。
「食べる」と言う行為がこんなにも官能的に描き出された映画を私は観たことがない。
それにこの偏執的なまでに豪華で、
胸焼けする程に退廃的なセット・衣装・登場人物たち。
ハーゲンダッツのアイスクリームに
黒蜜と練乳をかけたものの方がよっぽどあっさりしている。
80年代のゴテゴテした感じが、見事に美に昇華されて…美しい。
なんか、こう…みそ汁と焼き魚とお米で育ってきた私としては異世界のような…。
そう…これが欧州なんだ…。
これが大人の情欲の世界なんだ(そうか…?)…。
ここでは淡い恋などといったヌルいものは一切無く、
言葉よりも濃厚な声無き会話が恋人達には重要なのだ。
それを知るのはコックのみ。
スリリングな逢瀬を重ねるがとうとう……。
衝撃のラストシーンの
ヘレン・ミレンは格好良すぎます。